子どもにとって一番大切なことは何か? 私の基本の子ども観「きらぽか」
ブログで記事を書いていくにあたって最初に私の基本的な子どもに対する考え方、子ども観について書いていこうと思います。
大学の友人や社会人の方々にお会いして、
「子どもに関する様々な活動を行っていて、学問としても教育・保育やってます」
と言うと、
「子ども育てるとき一番何したらいいの?」「何が大切なの?」
とよく聞かれます。
それに対する私の返答は「めいっぱい愛すること」です。
子どもにとって大切なこと
大学生活3年弱で700人近い子ども達と出会い関わってきて、その保護者・教育者・保育者とお話するなかで、経験的にたどり着いた一つの答えが「無条件に愛されていると感じ、世界・大人を信頼できる心」です。今風にいうと「自己肯定感」でしょうか?
尊敬できると感じる多くの大人・教育者の方が口々に
「勉強できるとか仕事できるとかじゃなくて、人を愛せる・信頼できる人になってほしい」
「『この人は信じれる、好きだ』という大人・保護者がいるだけで十分で、自分はそういう存在でありたい」
「言葉がけや態度ももちろん大切だけど一番大事なのは心の底の気持ち。『心から大好きだよ、幸せになってほしい』と心から思う気持ち。子どもは大人よりずっと本心なのかうわべだけなのか感じるセンサーをもっている。」
と言います。これに共通することはなにか?
学問でも同様の考えが様々な時代、場所、文脈で出てきます。
ライフサイクル論で有名な心理学者エリクソンは「基本的信頼」という概念で、
「人は人生を、こうした世界と自己への絶対的で無根拠な信頼を獲得することから始めなければならない。その後のすべての発達は、こうした信頼の上にこそ築かれることができるのだ。そしてこの基本的信頼を子どもが獲得することができるためには、親や保護者による無条件の受容こそが不可欠である。」
と述べており、ルソー、ペスタロッチ、フレーベルなどの著名な教育学者も似たような考えを述べています。
この安心感、信頼感、愛されている感、受容してもらってる感を「あたたかい太陽の下であるがままでいれる」イメージで「ぽかぽか感」と名付けます。
また子どもはそのような受動性を出発点・土台として、主体的・能動的に生きていくことになります。
(この「受動と能動」「存在と行動」の並立についてはまた別記事に書きます)
そのわくわく感、自信、自己効力感(やればできる感)を「光り輝く太陽や星に向かって、なりたい自分になれる」イメージで「きらきら感」と名付けます。
この「きらぽか感」を感じることこそ子どもにとって一番大切なこと考えています。
この基本的な子どもに対する考え方をもとに書いていきます。
また私が子どもや教育・保育について語る際には
メディアなどでされがちな「社会の問題・状況・要請」から「教育・子どものあるべき姿」を考えるのではなく、
「子どものあるがまま姿」から「社会への適応・参画・変革」を考えるという視点・パースペクティブをとります。
この視点の違いについても別記事で。
<参考文献>
森田伸子『子どもと哲学を 問いから希望へ』勁草書房、2011年